記事タイトル:クレアチニンが上がってしまう原因とは?
健康診断を受けたときに、なぜかクレアチニン値が上がっている、という方もいると思います。何で上がってしまうのか気になりますよね。ここでは、クレアチニンが上がってしまう原因について解説します。
クレアチニンは尿からしか排出されない老廃物です。 ですので、腎臓の機能が低下してくると、当然のことながら血液中のクレアチニンの値は上がります。
腎臓とは、ソラマメのような形をした直径10cmほどの臓器。背骨をはさんで、左右に1つずつ存在します。心臓や肝臓、胃、大腸などに比べれば、やや存在感の薄い腎臓ですが、人の健康を維持していくうえでは、極めて重要な働きを持つ臓器であることを理解しておきましょう。引用元:腎臓病の予防法・酵素の効果と研究結果
http://www.enz-workshop.net/review/kidney_general/
逆に言うと、クレアチニンを見ることで腎機能が正常かどうかを知ることができるのです。 ただ、腎機能の低下は静かに起こりはじめますので、最初のうちは自分では気付くことはできません。
自覚症状がないうちに、腎臓が悪くなっていって透析をはじめなければならないような状態になることもありますので、健康診断で「クレアチニンが少し上がったけどなんでだろう?」と思ったら、まずは専門医に相談することが必要になります。
さらには、クレアチニン値の上昇は、実は腎機能とは関係ないことが原因で起こることもあるのです。 クレアチニンが上がってしまう原因としては、以下のようなものが考えられます。
クレアチニン値の上昇は腎機能の低下に反比例して起こります。 クレアチニンは、尿から排出されるべき物質なので、それが血中に高い値で残っているということは、腎臓の濾過機能が低下していると判断し、精密検査を受けることを考えた方がいいと思います。
特に、糖尿病などの基礎疾患を持っている場合には、その合併症が起こっていると考えて間違いないので、クレアチニンの再検査や糖尿病のコントロールも含めて、主治医に相談することが重要になってきます。
腎機能がかなり低下しないと、自覚症状は通常は現れません。 よくある症状は、足のむくみや体のだるさなどですが、慢性腎不全の状態になると血中のミネラルの異常や腎性貧血なども出現してきます。 さらに、腎機能が低下すると、体内の毒素の蓄積による尿毒症(頭痛、吐き気、食欲不振など)が出現します。
出典:【糖尿病腎症の診断と治療】新潟大学 保健管理センター 教授・所長 鈴木 芳樹先生 家族と考える慢性腎臓病サイト~腎援隊
https://jinentai.com/ckd/columns/34
実は、クレアチニンの血中濃度は、体の筋肉量に比例します。
理由は、クレアチニンが筋肉を動かしたときに体内で発生する老廃物だからです。 ですから健康診断の前に、例えば体重を減らしたいとか、腹囲を減らしたいとかの理由で筋トレに励んだとします。 そのかいあって筋肉量が増加すれば、血中のクレアチニンは一時的に上昇することになります。
これは、腎機能に関係ないクレアチニン値の上昇ですので、1年前のクレアチニン値と比較して数値が上がっていても様子を見て構いません。 しかしながら、もともと基礎疾患があって腎機能に問題のある方には、あまり良い傾向とは言えません。
そういった方は、もし筋肉量が増えたとしても早めに主治医に相談することをおすすめします。
最近は、ジムに通ったり毎日のジョギングを欠かさなかったり、生活に運動を積極的に取り入れている人が多くなりました。 ただ、クレアチニンを測定する直前に激しい運動をしてしまうと、採血の結果でクレアチニン値が上がってしまうことになります。
これは、前述したようにクレアチニンが筋肉を動かすことで発生する老廃物だからです。 ですから、検査前の2~3日はできれば運動を避けた方が良いと思います。
我が国はいよいよ超高齢化社会に突入しましたが、年齢を重ねるとどうしても様々な内臓の機能は落ちていきます。
これは、誰にも避けられないことであり、誰もが通る道でもあります。 腎臓もそうで、何の病気でもないのに腎機能が少しずつ落ちていくことがあり、そうするとクレアチニンは上がってしまいます。 しかしながら、これに関しては特に心配は要りません。 かかりつけの内科の医師に相談していれば、何の問題もありません。